アジアの東端日本と西端トルコ。両国が友好の強い絆で結ばれているのはなぜでしょう。その答えを史実に基づいて描いた映画「海難1890」(2015年公開)を25日、特別進学、進学両コースの生徒が体育館で鑑賞しました。時空を超えて紡がれた献身と勇気の二つの実話が、静かな感動となってアリーナを包みました。
〈1890年、和歌山沖串本町大島沖でトルコの軍艦「エルトゥールル号」が遭難。島民は危険を顧みず荒れ狂う波に身を投じて漂流者を救助し、不眠不休で介護。乏しい食料を分け与え、69人の命を救った〉
〈1985年、イラン・イラク戦争。攻撃が48時間後に迫る中、215人の日本人がイランに取り残されたが、トルコの救援機で全員が国外脱出。エルトゥールル号救難の恩義を感じていた大勢のトルコ人が日本人に救援機の席を譲り、自分たちは陸路で避難した〉
作品は二つの史実を軸に構成され、生徒たちは食い入るようにスクリーンを見つめ、涙をぬぐう姿も見られました。
映画の上映を提案したのは、世界史の授業でかねてからこのエピソードを取り上げてきた進路指導部長の小原先生。今年2月のトルコ南部大地震を受けてエピソードを紹介した四国新聞のコラムを読み、「あらためて両国の『秘話』を多くの生徒に知ってもらいたいと思いました。被災者支援についても考えるきっかけに」と小原先生。支援については現在、生徒会を中心に検討を進めています。