260人の門出を祝福

 

 令和6年度第76回卒業証書授与式が3日、本校体育館で行われ、260人が3年間の思い出を胸に学窓を巣立ちました。

 香川校長は式辞で、カントの道徳論を研究している夏目研一氏の著書や京セラ創業者稲盛和夫氏の言葉を引きながら「夢を描き、それを実現しようとするとき『動機善なりや』と自らに問うこと。仕事を進めていく上では『私心なかりしや』と問いかけ、自己中心的な発想で仕事をしていないかを自己点検することが重要です」と述べたうえで、「誠実な心を常に持ち、何事に対しても丁寧に日々、取り組んでいってください。時折は、(本校の教育理念である)人間力IMPACTの一つずつを思い出し、実践してください」と、はなむけの言葉を贈り、卒業生総代の草薙稜己さん(普通科)と植村菜摘さん(商業科)に卒業証書を授与しました。

 池田豊人知事の祝辞が披露され、伊賀裕之同窓会会長からは「自分の可能性を信じて、チャレンジを。21世紀を担う若者として活躍してください」と激励を受けました

 在校生代表の古川真歩さんが、部活動や総合探究の合同授業、学校行事などで接した3年生のリーダーシップや創意工夫、温かい指導を振り返り「先輩方の背中から多くを学びました。みなさんが築かれた伝統を守りつつ、新しい風を吹き込むことで、より良い学校生活を創り上げていきます」と送辞。

 卒業生代表の小西永遠さんは答辞で、進学クラスでの学業と空手道部での活動の両立を目指し故郷の広島を離れて本校に入学したものの、厳しい練習の毎日に文武両道の決意が揺らいだ日々を述懐。下を向く自分をいつも支えてくれた「空手道部の仲間と尊敬する監督」「同じ悩みを抱え、互いに支え合ったクラスの温かい友達」「寮生活を気遣い、励ましてくれた両親」へ感謝の言葉を贈り、「私はたくさんの支えの中で成長し、日本一を経験して、人間はどんな時も一人じゃない、ということを深く学びとることができました」と振り返りました。そして「卒業式で父母に伝える『ありがとう』の言葉には子どもの成長の証が込められていると、国語の先生に教わりました。今日、その意味がはっきり分かった気がします。だから、卒業生を代表してお伝えします。すべてのお父さん、お母さん、私たちは本日、無事に卒業します。3年間ありがとうございました」と述べ、「大好きな大好きな学び舎に感謝とエールを送ります。ありがとう、高松中央高等学校。永遠に栄光あれ!」と万感を込めて学窓に別れを告げました。

 卒業式を終えた生徒たちは、各ホームルームで卒業証書を受け取り、3年間のトピックスを編集したビデオなどを鑑賞。部活動ごとのお別れ会も催され、校庭では名残を惜しむ生徒と保護者、先生らの輪があちこちにできました。