「自分のストーリー語れるように」          2年生、キャリアデザイン学ぶ

 進路選択を控える2年生の「キャリアデザイン基礎講座」を2、3の両日、四国生産性本部コンサルティング部の太田和也さんを講師に迎え、体育館アリーナで実施しました。

 太田さんは、ご自身の転職経験や失敗談、現在の仕事に対する思いなどを交えながら、高校生の今から目的や目標をしっかりと設定していく「キャリアデザイン」の大切さを分かりやすく説明。熱心に耳を傾ける生徒たちの姿が印象的でした。

 

 講義の主なポイントを、太田さんの言葉でまとめてみました。

 【自己理解】まず、「自分の性格(長所、短所)」「好きなこと、得意なこと」「嫌いなこと、苦手なこと」をテキストの〈自己理解〉の欄に書き出してください。後であらためて振り返ります。

 【なぜキャリアデザインが必要①】外部環境の変化があります。一つ目は少子高齢化社会の進展。みなさんは定年70歳時代を生きることになる。70歳まで働けるように自分の力を伸ばしておかなければなりません。二つ目は経済のグローバール化・ボーダレス化。外国人の採用が当たり前になってきています。みなさんが就職するときには、ライバルは隣の人だけに限りません。三つ目は社会や技術の急速な変化。きのうまで全盛だったものが、あすには陳腐になる。そんな環境の中で自分に何ができるか、今から考えておく必要があります。

 【なぜキャリアデザインが必要②】若者を取り巻く課題があります。たとえば、高卒の4割が1年以内に会社を辞めてしまう早期離職問題。ミスマッチをなくしていかなければなりません。進路意識・目的意識が希薄な進学者の増加も指摘されています。私自身、高校時代に目的意識など全く持たずに「入れる大学」に進学して、いろいろ苦労したので、みなさんには今のうちから少しでも意識を持ってほしいと思います。

 【問題発見力と問題解決力】バスケットボールでシュートが入らないのは、脚力がないからだと走り込む。これでは問題は解決しません。通常は、腕の使い方やフォームを直しますよね。大切なのはどこに問題があるのかを見つけて、解決に動くこと。問題発見力と問題解決力はどの分野に進んでも重宝される力です。2つの力を持ち合わせて、みなさんの人間力を高めてください。

 【目的と目標、プル思考】みなさんは何のために進学または就職しますか。○○大学に

進学するとして、それは何のためですか。あらためて自分に問いかけてください。何のためにという目的がはっきりしたら、次は目標設定。その際に「プル思考」という思考法が参考になります。目的を達成するために、まずクリアしなければならない自分の課題は何か。試験の点数なのか、お金なのか、生活力なのか。最初の課題をクリアしたとしたら、その次の課題は何か。順番に課題を設定していきましょう。未来のあるべき姿に向かって自分を引き上げる(プル)、それが「プル思考」です。

 【自分のストーリー】自分の目的がなかなか決められない人もいるでしょう。そんなときは「好きなこと、得意なこと」に注目すれば、考えやすいかもしれません。ここでもう一度、冒頭の「自己理解」に戻って、書き足してみてください。

 「好きなこと、得意なこと」が、いつから、どんなきっかけでそうなったのか。振り返ってみましょう。自分の記憶に刻まれたことを自分のストーリーとしてしっかり語れることは、面接試験などでもきっと役に立つはずです。