「企業探究」の着眼点教わる/香川OG役員が講演

 香川オリーブガイナーズ球団の澤村俊輔取締役が24日、本校で「企業探究に向けて~地域活性化とは何か。大人の思いとは~」をテーマに講演。2学期から総合的な探究の時間に「企業探究」に取り組む1、2年生に、球団運営を通して地域活性化に取り組む思いや企業探究の着眼点を伝えてくれました。

 澤村さんは横浜市出身の36歳。元高校教員で2年前から球団の経営に携わっています。「香川で頑張るこんな大人がいるんだなと思って聞いてください」。こんな切り出しで始まった講演はワークショップ形式で進められました。要旨は以下のとおりです。

■いつでも自己紹介できる準備を

 自分について伝えたいことを3分間で書いてみましょう。そして、これをきっかけにいつでも自己紹介できるように準備しておいてください。第一印象を相手に与えられるチャンスは1回きり。明日、人生を変えるような出会いがあるかもしれません。

■働くとは? 何のために?

 何のために人は働くのでしょうか。「お金のため」以外で5つ以上書いて、周りの人とも共有してみてください。(生徒から「人のため」「役に立つため」「欲しいものを買うため」「自分の好きなことをするため」「大切な人と過ごすため」などの発表)。共通しているのは「自分一人のためじゃない」ということですね。「働く」の語源が「傍楽=傍(はた)を楽にする」といわれていることに通じます。ちなみにAIの答えは「生きるため」「誰かの役に立つため」「自己実現のため」「社会とのつながりを持つため」「未来をつくるため」です。

私たちも「香川県を元気にしたい」「スポーツ観戦の文化を香川に根付かせたい」という思いで、球団を起点にした事業展開を進めています。

■球団運営ってどんなこと?

 球団運営にはどんなことが含まれると思いますか。幾つか書き出してみてください。(生徒から「ファンサービス」「スタジアムの管理」「選手の契約・スカウト」「スポンサーとのやりとり」などの発表)。「スポンサーとのやりとり」に着眼したのはすばらしいですね。球団ではさまざまな事業に取り組んでいますが、教育機関との連携もその一つで、きょうの講演もその一環です。

■志を大切に、面倒くさい課題に取り組む

 今、みなさんが受けている教育がそのまま社会に通用するのか、私は疑問に思っています。

穴埋めのテストが依然として多いんじゃないかと思いますが、答えのある問題ばかり解いていては、正解のない時代を生きていくのは難しい。なぜ勉強するのか、なぜ生きるのかといった、正解のない、面倒くさい課題に取り組んでいくことがこれからは求められるし、「誰かの役に立ちたい」という志を持って取り組むことが大切だと思っています。

 球団では、高校生や大学生を対象に試合運営や広報、企画、営業などのインターンを募集しています。関心のある人はぜひ応募してください。一緒に香川を盛り上げていきましょう。